Saturday, January 20, 2007

「非暴力たんぽぽプログラム」への招待



カリフォルニアから森田ゆりです。

「いじめの加担者を出席停止処分に」といった時代遅れの日本政府のいじめ対策の稚拙さにあきれます。国際レベルの教育施策論議では、厳罰や出席停止といった安易な対応は問題を解決しないどころか、事を悪化するばかりであることが常識的理解になっています。安倍首相や文部科学省のカビのはえたようなアナクロリズムは、国外にいると恥ずかしい限りです。

「非暴力たんぽぽプログラム」は、いじめや差別・偏見による傷つけあいを学校や職場からゼロにすることを目的で、家族えん会議の方法を援用して開発しました。

いじめた人も、いじめられた人も、傍観者も、生徒も、教師も、上司も、同僚も、誰もが心と身体のぶ厚いよろいを脱いで、絶たれたつながりをつくろいなおします。

心理教育カリキュラム開発26年間の経験を投入した「非暴力たんぽぽプログラム」をあなたのコミュニティで実践してください。

21113日の多様性トレーナー研修は、最後の一日を、「非暴力たんぽぽプログラム」を実施するという特別な内容で行います。1日目,2日目で学ぶ参加型人権学習の方法とスキルを活用しながら、3日目は、みなさんにこのプログラムを模擬受講してもらい、学校や職場で実施できるような研修を行います。

新・多様性人権トレーナー養成+

非暴力たんぽぽプログラム一日模擬ワーク

日時: 2007年2月10~12日(土・日・祝)   午前9時~午後5時 

場所: 1日目・3日目  宝塚市立男女共同参画センター・エル(JR,阪急宝塚駅ビル )        2日目      西宮市民会館 (阪神西宮駅下車すぐ)

対象:いじめ問題に取り組む人。教師、親。多様性・人権担当者。人権教育の研究者、実践者。参加型学習の技術、教材開発方法やトレーナー・ファシリテーターのスキルを必要とする人。 

内容 一日目:参加型人権学習の理論/多様性受容力の三つの輪/トレーニングの4つの要素/トレーナーの4条件と7つ道具 /エンパワメントと人権 ニ日目:アイスブレーカー/多様性トライアングル/多文化リテラシー/アイスブレーカー/コミュニケーションとノイズ/コミュニケーション・スキル/多様性社会に求められるリーダーシップ/若者のリーダーシップ養成 三日目: 深いインパクトを与える一日ワークショップを経験する:非暴力たんぽぽプログラム~いじめ、差別、偏見による傷つけあいを学校、職場からゼロにする。パワー・シャフルも使います。

定員60名(3日間参加可能者を優先)

申込・問合せ  エンパワメント・センター(℡・Fax 0798-51-2903)

ホームページからも申込可 http://www.geocities.jp/empowerment9center/index.html

Tuesday, January 02, 2007

新年おめでとうございます。森田ゆりです。


日本との時差17時間のカリフォルニアの元旦は朝から陽光あふれる日。
太鼓の仲間たちと、もちつきパーティーをし、太鼓ソロ演奏に興じました。
年末はシェラネバダの雪山の上で太陽に感謝の唄を唄いました。

アメリカも日本も政治状況はますます国家による暴力が横行し、怒りと悲しみの感情に揺さぶられます。武器による大量殺人と戦争がもたらす膨大な環境破壊を今すぐにストップしなければ、地球の生態系は50年後には生存しないとの科学者たちの警告を世界中の人々が受け止め、破滅へ向かう時の流れを変える決定的な年、それがこの2007年となることは、実現可能な希望です。



森田ゆりのメルマガ[エンパワメントの風」の21号でこんなことを書きました。
大晦日の日が日曜日だったので、サン・フランシスコのグライ
ド・メモリアル教会
に行きました。サン・フランシスコ名所のひ
とつとして知られているこの教会は、1960年代から、
シーソー・ウイリアムス牧師のリーダーシップで、人種差別、戦争、
貧困、虐待、依存症、AIDS、ホームレスなどの社会問題に
真っ向から取り組み続けてきたダイナミックなコミュニティ
です。今映画館で上映中のウイル・スミス主演の「the
Pursuit of Happyness
」(日本では1月27日から公開
http://www.sonypictures.jp/movies/thepursuitofhappyness/index.html
主人公はこの教会のホームレス・シェルターに助けられます。

教会は千人近い人であふれかえっていました。あらゆる人種の
人たち、老人、若者、子ども、赤ちゃん、ゲイ、レスビアンの
人たち、ホームレスの人たち、アルコールやドラッグ依存
中の人たちと、実に多様な顔ぶれの中にいることは、それだけで
エキサイティングなことです。
「グライド教会は、キリスト教のどの派の人でも、仏教徒でも、
イスラム教徒でも、ヒンズー教徒でも、ユダヤ教徒でも、
どのような信仰の人たちもウエルカムです。」と壇上から
司会者は語りかけます。ブルースやゴスペルをみごとに歌う
シンガーとコーラス隊とバンドミュージックと一緒に、
この多様な人々が、一体となって手を叩きながら歌を歌い、
大きなスクリーンに映し出される映像のメッセージに心を揺さ
ぶられました。
1時間半のサービスの最後は、皆で手をつないで、
「We shallOvercome」の大合唱。 「We are not afraid. 
We are not afraid.」
と二番を歌っていると、自分の無力さへの怖れが洗い流されて
いくようで、久しぶりにこの歌を歌って感動しました。
アメリカでも日本でも、国家による殺人が「正義」の名で堂々と
行われ続けているこの状況を変える力とは、わたしたちが自分
と自分たちの力への信頼を取り戻すことにかかっているのですね。
希望を取り戻した2006年の最後の日でした。

2007年2月から、エンパワメント・センターではじめる
「家族えん会議」の実践者研修は、対立や紛争を暴力や金力を
使わないで解決する画期的な方法です。すでに世界各地でこ
のネットワークが広がりつつあります。日本でも、児童福祉の現場、
少年犯罪に関わる現場、学校、刑務所、警察、家庭裁判所、地域、
職場など、あらゆるところでこの非暴力の方法を広げていくことが、 
国家による暴力に敏感で、その横暴を許さない社会環境形成に
つながることを願っています。

2007年。不安の組織化に抗して、あなたも、わたしも非暴力のパワーを
載せたタンポポの綿毛を吹き飛ばし、希望の組織化を張り巡らしましょう。